
「デジタル課税」導入!?
政府税制調査会は11月7日、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などの国際IT企業による租税回避に対抗するため、「デジタル課税」導入の検討を始めました。英国が先月末、20年4月から「デジタル課税」を導入することに背中を押されたと見られています。
税金とは元来、利益に対して課されるものですが、、世界各国でビジネスを展開するGAFAは、アイルランドなど“タックスヘイブン”に海外本社を置き、利益を集中させることで課税から逃れてきました。そのため、国内売上高に一律2%の課税をしようというのが、英国のデジタル課税です。
日本の現状はどうかというと、アマゾン日本法人、アマゾンジャパンの納税額が分かる年が1年だけあります。それが、14年度決算です。
この時の同社の年次報告書に記載された日本法人の売上高は、79億ドル強(約8400億円)。ところが、日本国内の決算公告に記載された売上高はその約1割の900億円弱で、納税額は僅か11億円に過ぎないとされてます。
単純計算とはいえ、8400億円の売上高なら納税額は100億円に迫ってもおかしくはなかったのです。実際、同じような売上規模の高島屋の納税額はこの年、約137億に上る。なぜこうした租税回避策が可能なのか。
なぜ低額の納税で済ませられなるのか?
「アマゾンは日米租税条約の知的財産の使用料という項目を利用しています。日本法人の売上の9割は、米国本社に知的財産の使用料として支払う、と社内で取り決めをしている。すると、国税庁としてはほとんど手出しができないのです」(経済部記者)
そうして米国本社に集めた使用料が、国内の租税回避地であるデラウエア州などで処理されれば、低額の納税で済ませることができるのです。
『タックスヘイブンの闇』の著者、英国人のニコラス・シャクソン氏はこう話します。
「各国がいくら税制の穴を埋めようとして法改正を重ねても、別々の国が作る税法には、どこかに抜け道ができてしまう。会計士や弁護士などで構成されたGAFAの専門のチームはそこを突くのです。従来の徴税方法が限界を迎えているのは明らかでしょう」
GAFAの“フリーライド(ただ乗り)”を許さないためにも、日本でも英国など各国と連携した上で、デジタル課税の導入が急がれます。
我々、IT零細企業は、そういったデジタル課税の対象となるのか。そういった観点に関しては触れられていません。
今後、どの業界にもテクノロジーが導入され、業界の壁がなくなり、すべての企業がIT企業ではないか?と言われる時代がくるかもしれません。そういった際に、今回の「デジタル課税」の対象となると、企業繁栄の足かせになるのではないでしょうか?
ベーシックインカムは、儲かっている企業から捻出すべきだという話もありますが、それに近しい形で検討されはじめています。
今後の動向が気になりますね。
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