
総合評価法で、システム開発案件の受注基準を作ってみた
少し前に、基準がないと判断に迷いがでたり、タイムロスしたりするよね?という議論が社内であり、「判断基準をどのようにして設けるか?」という記事をメンバーが書きました。

今回は、上記の記事で取り上げた総合評価法にて、システム開発案件における受注基準をまとめてみます。
2018年最後の記事です!
あくまでも、弊社アローサル・テクノロジーの基準になりますので、すべての制作会社に言えるかはわかりません。
ただ、受注する側は明確な基準を持つことの大切さを知ってもらいたいのと、発注する側も受注する側の基準を知ることで、良好な取引関係を築けるのではと思います。
弊社の基準項目
リソース状況があり、案件を受けれる状態であることが前提となります。その上で、案件を受けるべきか?断るべきか?ということを判断するための指標です。まずは、指標となる項目を洗い出してみました。
1.案件内容は面白いか
2.会社のビジョンや計画にマッチするか
3.自社の強みを活かせるか
4.依頼者との関係はどうか
5.利益が確保できるか
6.リスクはどうか
下記に、それぞれの項目を説明します。
1.案件内容は面白いか
これは、価値観ですが、案件を受けるメンバーが”面白い!”と思って取り組めるかどうかは、重要な指標です。仕事の生産性にもつながり、やらされているではなく、自ら率先して行える案件は最高です。
個人的には、広がりがイメージできる案件や、先進的な案件は大好きです。
他のメンバーの面白いと思えるのは、「成長が期待できること」、「やったことがない未知な領域への挑戦ができること」、「責任重大だが、プロジェクトに関わるメンバーがプロ集団であること」だったり、いろいろな”面白い”が存在します。
2.会社のビジョンや計画にマッチするか
私もそうなのですが、課題解決や人のためになることをするのが好きな人は、案件の相談をうけるのが嬉しいもので、なんでもかんでも受けてしまう”なんでも屋”、”御用聞き屋”になりがちです。
仕事をすることが目的になってしまわぬよう、私達はなぜ仕事をするのか?なにを成し遂げるようとしているのか?を常に考え、会社のビジョン(目標や方向性)にマッチする仕事をとっていこうという指標です。
「ビジョナリーであれ!」ですね。
3.自社の強みを活かせるか
弊社は、企画や要件定義、下手したら事業計画に近いタイミングからプロジェクトに参画することが多いです。そのため、全体を俯瞰して物事を組み立てたり、リスクを洗い出したり、人の行動原理を考えた上でマネジメントしたり、、、など、事業やプロジェクトを動かす上で必要なことを多く経験してきました。そこに強みがあります。
また、人工知能(AI)技術という、先進的な技術をつかう案件にも携わっているため、深い技術をつかった取り組みにも対応できます。
“強み”を活かす、”強み”に集中する、ということはすごく重要です。
4.依頼者との関係はどうか
三方良し(さんぽうよし)という、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」という商人の心得をご存知でしょうか?
私たちは、人と人とのつながりの中で社会が形成され、経済が循環しています。調子が良い時もあれば、そうでないときもあるでしょう。
お仕事の相談や依頼していきた方との関係や、状況は大変大事な指標です。社内だけでなく、一緒に発展していくお取引先との関係を考えることも大事なことです。
5.利益が確保できるか
これは会社を経営する上で、事業を行う上で当たり前の指標ですね。案件の内容によっては、利益よりも実績を取ること、挑戦することを選択する場合もありますが、売上、利益が立つということは価値貢献の証です。
次なる投資や、働く仲間たちへの還元や環境づくり、リスクに備えての内部留保。など、さらなる企業の発展には資金は欠かせません。
6.リスクはどうか
・依頼者の企業規模は?
・支払いサイトは?
・依頼者のITリテラシーは?
・納期は?
・リソースは潤沢?
など、リスク自体だけでいろいろ洗い出せると思いますが、ここでは”リスク”という観点だけ出させていただきます。
残念ながら、リスクが高い状態では、上記の項目が満たされたとしても、受けかねますね。
総合評価法で評価してみた
案件のパターンは、たとえば下記。
案件A:面白いけど、利益にならない案件
案件B:強みを活かせて利益になるけど、面白くない案件
案件C:関係値はあり、リスクが低いけど、利益にならない案件
案件D:ビジョンにマッチし、強みも活かせるけど、リスクが高い案件
案件E:全体的に安定している案件
図にしてみるとこうなります。
総合評価法を用いた場合、今回のケースでは、案件Aを受注しましょー!という話になります。
ただし、気をつけないと行けないのは”重み付け”です。
会社の状況に応じて、重み付けの数値が変わってきます。
例えば、今は潤沢な資金があるから、リスクをとってでもチャレンジしよう!という時期もあれば、今は閑散期で資金的に余裕がないから”利益”確保を優先しよう。など、会社の状況が変わります。
事業体や会社のスタイルによって、企業の状態サイクルはある程度は予測可能だと思います。予測できでないわ!という方向けには、今度別記事で事業の考え方を書きたいと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?基準を引いて仕事ができていますか?
創業時期はがむしゃらに仕事を取ることをしていたかもしれませんが、今度は基準を引いて仕組み化することを行っていくことになります。
“基準を引く”
ということは、実はデジタルシフト(アナログからデジタル化)していくには重要な作業です。
AI導入をする上でも大切になってくるので、今のうちから自社の基準づくりを行っておきましょう。
2018年最後の記事でしたー!
それではみなさん…
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